| ● 開催にあたり ● | |
「一打清空」は１９９４年に奈良の、今は亡き清水公照東大寺長老（第２０７世華厳宗管長）より戴いたお言葉です。能の主人公の多くは喜怒哀楽の波にさらわれて、無明の海に投げ出された存在です。その顔貌である能面を打つ私も同じ海の中の身で「一打清空」の心境には程遠いのですが、能面と悪戦苦闘していく助けとして、今日まで大切にして来た言葉であります。能面師を志してより今年で３０周年になります。未だ道なかばで坂は益々厳しくなる一方ですが、この機会に一区切り着け自省するのも良いと考え、縁ある三都市にて記念の展示会を開催させて頂く事に成りました。既に２００１年には東京・銀座「鳩居堂」、２００２年には京都文化博物館にて開催いたしており、倉敷市立美術館が最後の開催地なります。 |
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