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節木増
宝生流宗家にある増阿弥(室町時代)が創作した本面は
眉間に木の節の痕が染み出してきています。
しかし、それを苦にしないほど美しく、
古来から名物面となっています。
この面(おもて)は節木の染みは付けませんでした。
「節木増」が「節木増」たる所以は節木にあらずと
考えるからです。
能「江口」「熊野」などに使われます。
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● 節木増」(ふしきぞう) ●
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近江女
近江猿楽で使われていた面と言われています。
特徴は眼の上が厚ぼったく重たげであること、
口元に力を溜めてをり、他の女面には
無い下の歯が少しあることです。
いずれも執心の強いことを表しています。
能『道成寺』の前シテに使われます。
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● 近江女」(おうみおんな )●
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小面
若い女性、あるいは花や雪の精などの役の面です。
能「雪」「吉野天人」などに使われます。
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● 小 面(こおもて) ●
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増 女
高貴な女性、あるいは女神の役の面です。
能「羽衣」「葛城」などに使われます。
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● 増 女(ぞうおんな) ● |
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老女小町
小野小町の老いて痩せ衰えた面です。
能「卒塔婆小町」「姨捨」などに使われます。
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● 老女小町(ろうじょこまち )● |
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若女
観世流の若い女面を代表する面です。名工・河内家重
(近江井関家四代目・1645年没)が観世太夫の要請を
受けて創作した面です。
能「松風」「熊野」などに使われます。 |
● 若女(わかおんな) ● |
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小姫
可憐さと神性を持つ面です。
一般に柔らかい相貌の面が多いが、
この型は目に強さがあり、女神など位の高い役に
使うことが出来ると思われます。
能「巻絹」「采女」などに使われます。
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● 小姫(こひめ) ● |
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姥
神の化身である老女の面です。
多様な面があり様式を限定し難い面の一つですが、
強いて様式を述べれば、眼孔を作らず薄く目の形に
刳り貫くことと、頬を高くつくり、皺を多く作るこでしょうか。
額や頬の皺の数も色々です。
能「高砂」などに使われます。
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● 姥(うば)● |
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小夜姫
小面の類型面ですが、目と頬に古雅な趣があります。
能『松浦小夜姫』などに使われます。
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● 小夜姫(さよひめ) ● |
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宝増
備前池田家伝来の増女の類型面の写しです。
能『羽衣』などに使われます。 |
● 宝増(ほうぞう) ● |
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曲見
中年の女性の面です。
額が高く、顔がしゃくれて見えるところからの
命名と言われています。
能『隅田川』『三井寺』などに使われます。
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● 曲見(しゃくみ) ● |
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逆髪
能『蝉丸』のシテ逆髪の役のために考案された面です。
何処か尋常でない気配を含んでいます。
能『道成寺』の前シテや『三輪』など多くの曲に
使われています。
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● 逆髪(さかがみ) ● |
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「深井」
中年の女性の面で、母親の役に多く使われます。
能『隅田川』『三井寺』などに使われます。
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● 深井(ふかい )● |
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